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【森見登美彦】映画 夜は短し歩けよ乙女 映画の前に見どころピックアップ!

4月7日公開の映画『夜は短し歩けよ乙女をより一層楽しむために、原作(小説版)の夜は短し歩けよ乙女を読み解いていきたいと思います。

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ちょっとした僕の前語りが入っちゃうので、早く本題の『夜は短し歩けよ乙女』の解説を見たい!という方は、目次のストーリーを押して進んでいただきたいです^^

 

是非興味のある方は読んでみてください。映画が何倍も面白く感じますよ^^

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目次

 

前語り

僕がこの作品『夜は短し歩けよ乙女』に出会ったのは、僕がまだ高校生なりたての頃でした。まだ森見登美彦氏を知らなかった時期の僕が『四畳半神話大系』を読んで衝撃を受け、森見さんの作品を何でもいいから早く読もうと探していたときです。

 

古本屋で「も」から始まる作家さんの欄とににらめっこしてこの本を見つけました。

 

夜は短し歩けよ乙女

うぬ、なんとも惹かれるタイトルです。 

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手に取ってみるとカバーイラストが中村佑介さん

 

ASIAN KUNG-FU GENERATIONのCDジャケットをなどを手掛けている方ですね。中村佑介さんも大好きなので素敵なコラボレーションで魅了されました。

 

次読む本はこれに決めた!即買いです。

 

これが僕と『夜は短し歩けよ乙女』の出会いですね。そして”黒髪の乙女”との出会いでもありました。

 

それからは僕は現実でも黒髪の乙女を探して止まない青年へとなったのです。

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中村佑介さんは洗練された線とベタ塗りの着色で個性全開のイラストをお描きになりますね。じぃっと見ていても飽きるどころか面白さが湧き出てきます。

 

女の子がいて、動物がいて、奇妙な行動をとっていて、何で?と思うような道具を持っていて、不釣り合いな場所にいたりする。でも、ごちゃごちゃして訳わかんなくなることも無く、すっと頭の中に入ってきて理解できる、不思議な絵です。

 

あの絵のスタイル大好きです。

ちょっと長くなってしまいましたが、本題に入りたいと思います。

 

 

トーリー

冴えない男子大学生である「私」は、クラブの後輩である「黒髪の乙女」の彼女に一目ぼれするも、親しく言葉を交わすことができないでいた。

 

「私」は彼女との外堀りを埋めるために、「なるべく彼女の目にとまる作戦」略して「ナカメ作戦」を実行する。

 

「私」は七転八倒しながらも彼女の眼中に入ろうと、春には酒精に浸った夜の町で、夏には古本市で、秋には学園祭で、個性溢れる曲者たちと珍事件に巻き込まれながら外堀りを埋めまくった。

 

頻発する”偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言って、疑うことも、「私」の気持にも気付く気配の無い彼女。季節は冬になり、外堀りを埋めきった「私」と彼女「黒髪の乙女」の関係は今後どのような結末を迎えるのか!?

 

というような物語です。面白そうですね。そう!面白いんです。

 

 

登場人物紹介

先輩(私)

本作の語り手。クラブの後輩である黒髪の乙女に一目ぼれをして、彼女との外堀りを埋めるため、「なるべく彼女の目にとまる作戦」略して「ナカメ作戦」を実行する。

 

黒髪の乙女

本作の語り手。黒髪を短く切りそろえた、小柄で色白な容姿。好奇心旺盛。

 

李伯

叡山電車を積み重ねたような三階建の風変わりな乗り物に乗っているお金持ちの老人。夜道で男の下着を奪うことと、偽電気ブランで飲み比べをすることを趣味としている。

 

樋口さん

いつも浴衣を着ている大学八回生。天狗を自称し、天狗のような術を使う。同作者の『四畳半神話大系』にも登場している。

 

羽貫さん

樋口さんと一緒にいる美人の女性。歯科衛生士をしている。こちらも同作者の『四畳半神話大系』に登場している。

 

東堂さん

東堂錦鯉センターを経営していたが、災厄が続き可哀想なことになる中年の男性。そのことで黒髪の乙女の同情を引き、あろうことか黒髪の乙女に不埒を働いた助平な野郎。許せん!

 

学園祭事務局長

「私」と一回生からの知り合い。男にはもったいない美貌の持ち主。軽音サークル、落語、女装と多岐にわたる趣味がある多彩な男。

 

パンツ総番長

古い浴衣を着た体躯の良い人物。一年前の文化祭で一目惚れした須田紀子に再び出逢えるその日まで二度とパンツを脱がないと、吉田神社に願を掛けた男。それ故に病気になった。周囲への気遣いを忘れない紳士でもある。ゲリラ演劇「偏屈王」の脚本を書いていた。

 

須田 紀子

パンツ総番長が惚れている女性。文化祭で「像の尻」という出し物をしていた。

 

他にも、物語に登場する人物は沢山いますがこれくらいにしておきます。これからさらに加筆していく所存です。

 

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見どころ

「黒髪の乙女」の可愛さ

ひとまず、黒髪の乙女について語るために下の引用を一読して頂きたい。

二足歩行ロボットのステップを踏みました

 

むんと胸をはって

 

私はその時のことをひょいと思い出しました。

 

私はそわそわする自分を持てあまし、部屋にある緋鯉のぬいぐるみをぽかぽか叩いたり、むぎゅっと押しつぶしたりしました。

 

何が言いたいのかというと、黒髪の乙女の行動への表現がいちいち可愛いのです。特に、”むん”と胸をはるという表現は黒髪の乙女の小柄な形姿と好奇心旺盛な性格が表れているピッタリの表現ではないでしょうか。ひょいと思いだすところにも、キュートさが見え隠れしております。あ~可愛いな。

 

この様に、いちいち可愛いのが黒髪の乙女なんです。なんせ乙女だから。普通の女子とは違うみたい。こんな子だったら先輩じゃなくても惚れてしまいます。ホント可愛いな。

 

映画では「おともだちパンチ」を期待しています。彼女の拳が紅葉饅頭よりも可愛いことを願っております。黒髪の乙女の可愛さを存分に味わいましょう!

 

 

「先輩(私)」の清純さ

森見さんの描く男子大学生は冴えない。そして筒抜けの阿呆である。それはこの作品『夜は短し歩けよ乙女』に出てくる「先輩(私)」も例外ではありません。

 

古本市では彼女と同じ本に手を伸ばし、流れでラムネ休憩にしゃれこみ、その後はうんたらかんたらで黒髪の乙女との薔薇色のキャンパスライフを~と妄想計画していたほどに。妄想がテンプレでそれに絶対の自信を持っているところは先輩の愛すべき可愛さです。

 

「どこまでも暴走する己のロマンチック・エンジンをとどめようがなく、あまりの恥ずかしさに鼻から血を噴いた。」

 

からも分かるように、「先輩」は恥ずかしい妄想をして計画を練ります。

 

時には妄想に現実がついていかず計画破綻していることもしばしばですが、しかしその中でも相手の嫌がるような行動は一切取らないし考えもしないのです。先輩の取る行動には少々ツッコみたくなってしまうが、応援したくもなるものばかり。思い返せば先輩はいつだってピュアな心で真っすぐなのです。「俺はただの助平じゃないか」と己の中で葛藤しているときもありましたが、巷の男子大学生に比べれば全く助平ではありません。逆です。紳士です。つまり・・・

 

先輩は愛すべき阿呆で紳士だったのです!

 

そんな先輩を愛ある目で見てみてはいかがでしょうか。

 

 

曲者ぞろいの楽しさ

樋口さんと羽貫さんとこの二人に連れられた黒髪の乙女が、他人の宴会に混ざり込み、タダ酒を喰らうという場面があります。

 

ひと息に宴会の懐に踏み込んで、有無を言わせず場を盛り上げ、「なぜこの人がここに?」というしかるべき疑念をこっぱみじんにこに打ち砕くのです。

 

凄く楽しそう!こんなことやってみたい!捕まりそうだけど。

 

ゲリラ演劇も面白そう。やってみてはいかがでしょうか。

 

 

僕が選ぶお気に入り語り台詞15選

「この広い世の中、聖人君子などはほんの一握り、残るは腐れ外道かド阿呆か、そうでなければ腐れ外道でありかつド阿呆です。

 

「若人よ、自分にとっての幸せとは何か、それを問うことこそが前向きな悩みだ。そしてそれをつねに問い続けるのさえ忘れなければ、人生は有意義なものになる」

 

「人生論なんか、ちょっと年食ったオヤジなら誰だって言えるよねえ」

 

かくして私は呟いたのです。

夜は短し、歩けよ乙女。

 

恥を知れ!しかるのち死ね!

 

「今までの人生で読んできた本をすべて順に本棚に並べてみたい。誰かがそう書いていたのを読んだことがある。そういう気持ちが君にはあるか」

 

迂遠すぎる計画をいったん白紙に戻して、より完璧な計画を練り上げたというのに、白紙に戻したはずの計画が勝手に進行していたとは誤算であった。

 

「さて、どうしてくれようか。今ここにたまたま破廉恥な桃色のブリーフがある。これをおまえに穿かせて、百万遍交差点中央へ放置するのもまた一興」

「桃色で、しかもブリーフだと!おお、神も仏もないのか!」

 

私は言った。「彼女がすべてに優先するのだ」

 

パンツ総番長は呻いた。

「ハッピーエンドだ。誰もが赤面することうけあいだ」

「それでよし!」

 

「泣いておいでですか、先輩」

「泣くものか。眼から、いささか塩水が出た」

 

「地に足をつけずに生きることだ。それなら飛べる」

 

彼女は、少し熱っぽいのです、と言って笑った。

「私も風邪を引いたかもしれません」

 

人事を尽くして、天命をまて。

 

かくして先輩のそばへ歩み寄りながら、私は小さく呟いたのです。

こうして出逢ったのも、何かの御縁。

 

もっと沢山の名言や迷言があるのですが、僕のお気に入りということで、多くの中からピックアップしてみました。あなたも先輩たちのドカンと心に突き刺さるようなお気に入りの台詞を探してみてはいかがでしょうか。 

 

 

 後語り

はあ、京都に行きたいな。森見さんの作品を読んでいると京都に行きたくて仕方なくなるんです。そして僕はいまだに一度も京都に足を踏み入れたことはないのです。なので、始めての京都で僕は、黒髪の乙女と一緒にはしご酒をするんだ!それが僕のです。叶えられますかね?

 

あ、最後にひとつ。僕、明石さんの方が好みです。

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またね~

 

お勧めですよ!!

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